Progress Report 0:赤い本と白い花



  コロナ対策で派遣先に出勤せず、しかし在宅は制限解除なので、派遣元の本社に密寸前まで集まって派遣先の仕事をするという体制でしたが。7月上旬一杯の仕事が不意にキャンセルで空きができちゃいました。『戦闘詳報』既述。
 で、半分シメシメ半分(来週からの仕事あるよね?)で、有給取って4連休にしちゃいました。しかし、遊休とは参らせませぬ。ラストのマゾ堕ちシーケンスが未確定ですが、人物設定と合わせて9千文字に達するPLOTが出来ている大河長編特別高等警察残虐非道複数女学生拷悶拷姦嫁取物語の本編執筆に着手します。
 今回は章立のみの御紹介。文字の薄い部分が未確定シーケンスです。


一.序章
  眼前の逮捕劇/桃色の白薔薇

二.逮捕
  赤い本の摘発/四人の贄少女/残虐非道の責/勾留初日の夜

三.拷問
  下心ある尋問/拷問の始まり/非国民の教導/緊縛の屈曲位
  口姦と肛姦と/飢餓拷問の酷/口肛連結の惨/勘当と義絶と

四.入替
  女教師の尋問/被虐に酔う女/木馬の相乗り/庇い合う二人

五.転向
  悦虐への入口/匙を投げた男/生餌の女学生

 序章では、いきなり校門前の準ヒロイン逮捕劇と半裸緊縛連行です。
 当時は手錠ではなく捕縛がふつうでした。早縄を掛けているところに校長がすっ飛んできて、制服姿での連行はやめてほしいと懇願。学校の悪い評判が立ちますからね。特高も、もっともだと同意して――セーラー服とスカートを脱がすのです。ブラウスも襟に校章が刺繍されているので、同じく。

「こら、暴れるな」とてこずる振りを装って、シュミーズも破り、乳バンドもずれて。ズロース一枚。
 それを見ていたヒロイン(瀬田恵)が震えあがって。臨時の英語教師である石山ユリに抱きかかえられて。この時点で、すでに二人は濃厚レズの関係です。ユリの下宿先(資産家の屋敷の一室)で読者サービスが始まります。
 本編で語られるとしても(ヒロイン視点ですので、ヒロイン不在のシーンは描きにくい)暗示程度にとどまる予定ですが、この臨時女教師は肉体で下宿代を払っています。

 本編では最終章手前当たりのネタバラシになりますが、この女教師は特高の手先です。親にうとまれているとか、素行が芳しくない生徒とかをみつくろって、特高に密告する任務を帯びて送り込まれています。首尾よくいったときの御褒美は、極上の拷悶です。ドMなのです。
 ヒロインの恵は両親に疎まれているという点で適格者なのですが、針小棒大の難癖もつけにくい品行方正なお嬢様です。なので、レズに引き込んで、敬愛するお姉様から禁断の赤本(受験対策のアレじゃありませんよ?)をプレゼントするのです。

_5c21b006b7c62.jpg

 しかし。たいていの残虐非道な拷問は『非国民の烙淫』で書き尽くしました。二番煎じも辞さずですが、目玉も欲しい。
 ので、「緊縛の屈曲位」の章では上のような形に据え膳する予定です。もちろん、邪魔な布切れはありません。3穴有効活用ですから、ギャグも無しです。


 さて、ぼつぼつ書き始めるとしましょう。




テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

「昭和集団羞辱史:浴場編」発売開始

 「月刊濠門長恭」3年目にして1か月の休止とあいなりましたが、7月から復活。
 すでに8月には「SMツアー6:誘拐と陵辱のサンバ」も刊行予定です(既報のとおり、FANZAでは暴発させちゃいました)。とはいえ、9月はどうなるか。かなり長いのを書くつもりですから、完成したら前後編に分けて出すでしょう。その頃には『未通海女哭虐』も痛恨のローテ入りでしょうから、10月以降はとうぶん弾切れしないかな、と。
 などという鬼嗤話はさておいて。

 実は、この浴場編のうち、『湯女』は難航したのです。
 母親が再婚して、娘は継父とお風呂でイチャイチャして、嫉妬の鬼と化した実母が、「そんなに男と風呂にはいるのが好きなら」と、娘を湯女に売り飛ばすという設定ですが。娘は娘で、楽して大金を稼げるからと、けっこう納得づく欲得づくで就職してしまうのですね。
 エロはあっても、SMがない。縄も鞭も木馬もありません。書いていてテンションがダダ下がり。なので(接続詞がおかしい)娘はエロ方面に暴走してしまうのです。そのおかげで、過剰サービスを要求された先輩湯女からリンチされたりしますが――濠門長恭ワールドとは思えない甘っちょろい仕置きです。
 まあ、強引にラストまで引っ張って、それなりに落とし込みましたけど。

 つらつら考えるに。湯女にしてもトルコ嬢にしても、裸が常態であり、性奉仕が仕事なんですね。「異常」が存在しないのです。
 大勢の中でヒロインだけが裸、ヒロインだけが性的に虐待される。そういうシチュエーションでないと、筆者は興が乗らないのです。ヌーディストビーチでは露出願望は満足させられない。そう思います。
 せめて、すこしでも「異常」を演出するのは、AVでもやってますね。湯女が腰巻ではなく褌とか。上はお仕着せの法被を着ているが下はスッポンポンとか。

ふんどし/下脱ぎの湯女

 それでも、まだまだ健康的です。健康ランドです。
 なので(これも接続詞が……)「トルコ嬢」のほうは、定番ですが。
 父親の使い込みを強制的に弁済させられる。ヤクザの運営する芸能事務所のダンスレッスン場に連れ込まれて、寄ってたかって(母親も同じ部屋で)引導を渡されて。
 結婚していれば成人と見做されるからと、強制結婚させられて。実際は監視人であり、稼ぎを吸い上げるヒモです。
 とうぜん、仕事ぶりは不熱心。仕置きと実益を兼ねて、アルバイトさせられます。「芸術編」でヌードモデルが縄衣装を着せられた緊縛研究会舞台に、NG無しの残虐研究会。このシーンは、熱がはいりました。キーボードをたたき壊すほどではありませんでしたが。
 最後は摘発されて、それまでの無道を訴えて。
 ところが、新任で張り切っていた署長の奥様が、お稽古事の帰路に「若い衆」に無言でい囲まれて、それだけでビビッて、取り締まり強化は有耶無耶。ヒロインも釈放されますが、「なかった事」された調書がヤクザの手に渡っていて。あれこれと歌ったヒロインは3/4殺しくらいのリンチに引き据えられる――というところで、おしまいました。
 書けば興が乗るし尺も稼げますが、全体のバランスが悪いし。また稼がせるのですから、「公女陵辱」や「非国民の烙淫」や「1/16の牝奴隷」や……つまり、濠門長恭的剛速球は投げ込めません。

 逆に考えれば、そんなにハードではないわけで、裸の少女が男に性的奉仕をうのですからエロはたっぷりで。つまりは一般受けうストーリイになっているかもしれません。

 DLsiteFANZABOOTH(PIXIV)では、体験版で「湯女」を最後まで読めます。
 ご一読のほどを。製品版を買っていただくと、尚嬉しいです。











テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

またやっちまった。サンバ暴発……

サンバ表紙  年に1回の健康診断を外部医療機関で受診していますが、毎年手続きに手間取ります。1年も経てば、あらかたあれこれを忘れているのです。30年以上繰り返しています。勤め先が変わっても同じ医療機関を使っていますが、WEB予約に変わって、ますますヤヤコCです。

 これが月イチでの手続きになると、すこしは覚えているかというと。D,F,R,Bそれぞれに登録の仕方が違うので……ことにFANZAでは、発売時期指定を忘れがちになります。しかも今回は2か月ぶりなので――『誘拐と陵辱の全裸サンバ』8月上旬発売予定と予告が掲載された翌日に、本編発売しちゃいました。
 FANZAはいちばんロイヤリティが低いので、トップページの書棚でもリンクを張っていません。
 他サイトでアカウントをお持ちの読者様は、そちらで8月1日以降にお買い上げください。
 ま、出しちゃったものはしかたありませんので、この記事にはちょこっとリンクを張っておきます。表紙紹介画像も、ちょこっとにしときます。

 ああ、表紙絵は変更しました。すこしは見苦しさが減りましたでしょうか。熱帯雨林規制を考慮しなくていいので、好きな構図を採用できます負け惜しみ。


FANZA直リンク→

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

メモ公開51:戦後の日米混血少女への虐待

 米兵との日本人混血少女がアメリカへ養子にもらわれて行って、まだパールハーバーの恨みも生々しい中、いろいろと(養父母からも)差別虐待された――という記事をネットで見ました。66年ぶりに日本を 訪れるとか。
 たーちーまーちー起こる、剣戟のー
 家では家事奴隷性奴隷として扱われ、外を歩けば物陰に引きずり込まれて。こんなこともあろうかと、養父母は貞操帯を着けさせていて。腹立ちまぎれにボコられるか、イラマか。ついでに大量の Small Water(Fc2規制)まで飲まされるとか。

 家での普段着は、こんなのです↓
養女虐待
 これ、人種的偏見とか憎悪とかで、DとFではOKでも、Kでアウト食らいそうな気もします。この記事を仕込んだのは、熱帯雨林に棲息していたときです。今では、もう平気だもんね。月イチ大衆ソープを捨てて、年一発高級ソープと表現の自由とを勝ち取ったんでい。


 内幕をばらせば。
 SMツアーシリーズの『女囚性務所』
 最初は、舞台を半島にして。「従軍慰安婦の苦しみを思い知れ」と日本娘を監禁して――というストーリイだったんですが。矢場いかなと考え直して、別のメモに遭った「蜜愉は懲液三か月」とチャンポったのでした。


 しかし。肉食残虐な毛唐に大和撫子がアレコレされるというのは、筆者の原点的モチーフのひとつです。
 SMセレクト誌デビュー作『Deep South マゾ紀行』、2作目の『奴隷留学 via Slave』どちらも、このパターンです。
 ホームステイ先で、というシチュエーションも当時から暖め続けています。
 もしも養子の話を書いたら、ホームステイは永久消滅でしょう。
 帰国できるホームステイより、逃げ場のない養子のほうが、大河長編残酷エンドになるから、こっちですね。


 この写真は留学でしょうか。
 「イエローと一緒に勉強できるか。さっさと帰れ」なんてリンチされてるんでしょうね。

100907-b15.jpg
 虐められてる方がもっと若くて、虐めてる方に白人男性も混じっていれば。というより、加害者が全員男で、後ろから高慢ちき白人女学生がけしかけている――という構図もいいですね。
 それとも。虐められるのがわかってて留学するとか。こっちは、『ロリマゾ』か『SMツアー』のひとつになります。あ、いっそ両シリーズのコラボかな?

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report Final:誘拐と陵辱の全裸サンバ

邪淫のいけにえ2 ~女勇者と修道女・果てしなき絶頂&触手地獄に堕ちたダークエルフと聖女~ [CHAOS-R]

 だだだっと、脱兎のごとく脱稿しました韻を踏んでいます。
 今回は趣向を変えて、後書とかを。


========================================
 冒頭のパンフレットを含めても、わずかに127枚。『寒中座禅(転がし)修行』を例外として、SMツアーシリーズは短くなる傾向があります。
 作品中で経過する日数が短い=エピソードが少ないというのは、副次的な理由に思えます。書いていても、描写が淡泊に過ぎるという実感があります。なぜか、責め場をネチネチと書き込む雰囲気にならないのです。理由は、自分にもよくわかりません。
 作風の変化ではなく、その作品の持つ必然性のような気がしています。

 ということで(接ぎ穂がおかしい?)。次はいよいよ複数ヒロイン寄せ集め大河長編特高警察嫁取物語『赤い本と白い花』に挑みましょうか。
 実は、これを書いてしまうと――戦前特高警察傍若無人残虐拷問性的虐待物語のネタが尽きてしまうという、出し惜しみもありましたが。底まで掘り尽くさないと次の鉱脈に行き当たらないというのも一面の真実です。
 なに、掘れば湧いてきますとも。ちょっと古いところで『大正弄瞞』と『1/16の牝奴隷』は、着想から脱稿まで1年とかかっていません。最近では未発表(フランス惜敗待ち←をい!)『未通海女哭虐』が、そうですね。
 400枚以上の大長編はともかく、中編レベルなら半熟成したネタはゴロゴロです。「昭和集団史羞辱史」が数本と「ヒロイン戦記:日本海軍編」「同:アメリカ陸軍編」。「昭和懐古:幼な妻甘々調教」は300枚以上確実ですし。さらには「DC男の娘もの」と「スケ番リンチ」ネタも、じんわりむくむくと成長中。
 出し惜しみしても意味がありません。精通を迎えた遠い昔のごとく、出せば出すほど日に日に放出量が増えるという状況が、まだまだ小説では続くと信じましょう。

========================================

構図

 なんだかねえ。ここ半年ばかりテンションが下がっています。
 雀の涙が目的じゃない。内的必然性であり自己表現であり形而上的不死の追及であるのだ。なんて、そっくり返っても、月イチ中級ソープと年イチ高級ソープとの落差は、やはりなのです。創作活動が自己満足に終わらず外界と接点を持つならば、その評価基準はつまり売上でしょう。
 現在は上の表紙画像を「実写でない」形に加工中です。
 それから大河長編残虐非道のPLOTを作り込みましょう。




2020/06/21/20:15 作っちゃいました。
表紙D

 ひでえなあ……

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 1:誘拐と陵辱の全裸サンバ

 いよいよ、本編執筆開始。
 Prgress Report 0:のPLOTに従って進めていきます。
 1章は割愛。


========================================
2.誘拐

(前略)

 夕方、いったんホテルに戻って。紗耶香と茉莉はボディペイントの下準備をしなければならなかった。蕾は、その必要がない。昨年の暮れに寒中座禅修業をしたときに得度されて、それからずっと無毛を保っている。すこし伸びてくるとチクチクしてショーツをぐしょ濡れにしてしまうという事情もあったが、社長命令でもあった。どうせ今度のツアーでパイパンにするのだから――というのは口実で。淫毛を巻き込まないだけ、色々と(社長が)愉しめるからだった。
 輪ゴムをつないだ褌にしても、針を植えたパンティにしても、無毛のほうが見栄えが良いという社長の意見には、蕾も同感だった。
 それはともかくとして。
 約束の時刻に十五分遅れて、エウリコ・メレンデスが迎えに来た。サンバ・チームの紹介で雇った通訳というか世話係だった。三人ともスペイン語ができないし、翻訳機だけに頼るのも心許無い。それに、翻訳機は運転免許を持っていない。
「みなさん、パスポートとスマートフォンは持っていますね」
 貴重品を持ち歩くかホテルを信用して預けるか。判断が分かれるところだが、裸で踊るのだから選択の余地はないはずだが。しかし、この三人にとっては別の問題があった。
 二週間のうちに六回も、三人は警官に呼び止められている。パスポートを見せると、たいていは驚かれる。一分以上も顔写真と見比べられたこともあった。二十歳の日本女性は、こちらの人間にはせいぜいミドルティーンくらいにしか見えないのだ。
 会場の周辺は交通規制が敷かれているが、通行許可証をウインドウに貼り付けたワゴンは会場のすぐ近くまで乗り入れた。
 降りたところは、パレード参加者の集合場所の真ん前。広場の出口が、そのままパレードのスタート地点になっている。
 集合場所が、そのまま支度の場所にもなっている。
 支度とはいうが。一時間おきに三千人から五千人がスタートするのだから、更衣室なんか無い。みんな、堂々と露天で着替えている。
 エウリコに案内されて、これだけはプレハブ小屋になっているボディペイントの場所へ行った。狭い小屋の中は、十人ほどの特別参加者とその倍の数の男たちでごった返していた。女性たちはくすぐったそうに身をよじったりしているが、羞ずかしそうにしている者はいなかった。
「ツボミさん、みなさん。ハダカになってください」
 たちまち前後に男が一人ずつ取りついて、筆でタンガを着せていく。乳房と股間を緑色の唐草模様に似たデザインに仕上げて、乳首には銀のラメを散らす。割れ目には内側にまで塗料を塗って、はみ出ている小淫唇は巻き込むようにして隠す。三人はすんなり終わったが、接着剤まで使われている女性もいた。
 それから、メイク係と入れ替わる。頬を肌に近い色で塗ってから銀ラメを散らし、唇はナチュラルに。そして着け睫毛はまばたきで風が起きるくらい派手に。三人とも見分けがつかないほど同じ顔になった。
 脱いだ服と貴重品はエウリコに預けて。小屋から出てコステイロを背負えば、一夜漬けのソロダンサーの出来上がり。といってしまうと、三人がかわいそうだ。紗耶香と茉莉はそれなりの経験があるし、蕾でさえ二週間の特訓で、ちゃんとテーマソングを歌いながらそこそこにステップを踏める程度にはなっている。歌いながら踊るというのが、カーニバルの必須条件だ。
 スタート地点にグループごとに集まって。一見して無秩序な集まりも、スタートの時刻が近づくにつれて隊形も整ってくる。
「はああ……なんだかねえ」
 紗耶香が溜め息を吐いた。
「五十人みんな、同じボディペイント。拍子抜けしちゃうかな」
 露出願望とはつまり、自分の羞ずかしい姿を不特定多数の人たち(主として男性)に見られたいということだ。自分の美しい裸を――となれば、単なるナルシズムでしかない。羞ずかしい姿を見られて(それはもちろん、賛美されたいという思いもすこしはあるが)軽蔑されたいという被虐願望でもある。それには自分ひとりか、せいぜい仲間の数人だけが羞ずかしい姿をしているのでなければならない。ヌーディストビーチでは(性的興奮を伴なう)露出願望は叶えられないのだ。五十人の中の一人という今の状況も、それに近いものがある。
 やがて、長蛇の隊列が前のほうから動き始めた。スタートの合図はあったのだろうが、五百人を超える打楽器隊のリズムとビートに掻き消されて、三人のところまでは聞こえてこなかった。
 三人――いや、ボデイペイントにコステーロを背負った五十人も、ぴったり合わせたステップを踏みながら前に進む。
 スタートからゴールまで七百メートルのコースの両側は、見上げると首が痛くなる高さの観客席で囲まれている。スタンドの歓声は広場までも伝わっていたが。スタートラインを越えた瞬間に、雪崩のような激しさで蕾に押し寄せてきた。
 一瞬で、テンションが跳ね上がった。背負っているコステーロの重さが感じられなくなって、リハーサルのときよりもずっと大きな動作でステップを踏む。まったく意識しないでも、手が動く。
 ランナーズ・ハイとSEXのアクメとがひとつになったような、忘我の境地。
 蕾は五十人の中の一人ではなかった。十三メートルのコース幅いっぱいに七人ずつが広がって、二メートル四方の空間で蕾はまさしくソロを舞っていた。数千の視線が裸身に注がれている。乳首もクリトリスも硬くしこり、腰とはいわず全身が熱くたぎった。
 これは、淫微な露出願望の充足ではなかった。サンバの坩堝に裸身を投じて、十万人の熱狂と一体化する――稀有の体験だった。
 ――忘我の六十分が過ぎて。ふと我に還ると、三人で抱き合って地面にへたり込んでいた。まわりでは、大勢の人間がエネルギッシュに動きまわっている。パレードに参加した者だけでなく、家族や友人も入り乱れて、まだ熱狂に酔い痴れているのか撤収に取り掛かっているのかも判然としない。
「ああああああ……もう、死んでもいい」
「あたしは来年もきっと来る――のは無理かあ」
「満足していただけて、わたしも嬉しいです」
 いっそう固く抱き合って、幸せを抱き締める。
========================================

 ええと。これで、カーニバルの場面はおしまいです。
 ここからが本編(?)です。
 誘拐されかけて、問答無用と拳銃を突きつけられて。リョナファイトのヒロイン村上詩織ちゃん(という歳でもない)の登場です。
 拳銃を持った男の腕をへし折って。その拳銃を拾おうとしたけれど敵に奪われて。太腿を撃ち抜かれてしまいます。
 荒野に連れ出されて。詩織ちゃんは岩陰に連れて行かれて――つぎに登場するときは、乳房も股間もナイフ傷だらけ。残虐シーンは自主規制。ではなくて、後半のお楽しみ。
 若い3人(蕾21、紗耶香20、茉莉20)は、女性らしい扱いを受けかけますが。ツアーガイドとしてクライアントを護るべく、蕾が3人まとめて相手をします。誘拐犯は4人です。1本余ります。詩織も義侠心を発揮して、比較的無傷のオーラルを犯してくださいと申し出ますが。片足立ちの首吊りにされて、腕をへし折った男に傷だらけのヴァギナを犯されます。
 そして、誘拐犯のアジトに連れ込まれて――以降は、次のレポートです。


ボディペカーニバル

 しかし。カーニバル期間中は、法律も一時お休みですかね。
 実写です。よく見ると、縦筋も写っている?
 これでU15だったら言うことないんですけど。
 まあ、貯金してそのうち行ってみようとは思いません。
 現地取材なんかしなくても、SFもSMも書けるのです。
 それに。数年後に行って、どうなっているか。画像も2012年頃のものだそうです。現在では、少なくとも縦筋禁止だとか。
 ついに、山笠も行かなかったしなあ……

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 0:誘拐と陵辱の全裸サンバ



 『昭和集団羞辱史:浴場編』は、登録完了。7月1日発売です。


 「トルコ嬢」ではハードな責め場もありましたが、ストーリイの一部だけです。「湯女」にいたっては淫乱一直線娘で、桃色一色、血の赤も痣の紫も足りません。
 次作がフラストレーションのはけ口になります。


 元々は。国内のあちこちのイベントに参加していた二人組。物足りないし、まともに露出出来ない不満が高じて、短大卒業記念に本場ではじけようと。ボディペで参加して、誘拐されて。人質は生きていればよろしいわけですので、さんざんに陵辱されて。
 当初の目玉は猫踊りだったのです。
 猫踊りというのは――逃げ出せないようにまわりを囲んだ鉄板を熱して、そこに猫を放り込むんですね。猫は後足で立って跳びはねることで熱さから逃れようとします。そのあいだ、三味線で特定の曲を奏していると。条件反射で、鉄板の上でなくても三味線を聞いただけで跳びはねるようになる。江戸時代の見せ物だそうです。
 猫を使うと動物虐待ですので、洋画などでは人間を使ったシーンがあるとかないとか。
 素っ裸の女の子に、カーニバルですから羽根飾りとかをつけさせて、乳首とクリトリスと手首とを適宜紐でつないで。サンバを踊らせるわけです。
 さて。どうやって救出するか。大使館なんか通してたら時間ばかりかかるし表沙汰になるので、論外です。
 数日前までは、無難なシノプシスでした。第4話でミイラ取りがミイラになった、元・裏添乗員で現・リョナファイターのやや年増ヒロインが現地ガイドをして一緒に誘拐されて、その縁でSMツアー社の社長がリョナファイト主催者のドン・ガストーニに救出を依頼するという。
 やめました。予定調和は面白くありません。
 第4話には、最後のほうでとんでもない大富豪が出てきます。息子の忘れ形見でもあり、息子を奪った憎い女の娘でもある孫を愛情たっぷり憎悪たっぷりに調教したブレイカー老人です。


 初手からどんどん脱線しますが。このブレイカー老と孫娘にはモデルがあります。
 『修羅の門』で、ボクシングヘビー級世界チャンプに挑戦するときの御膳立て役の老人と、我儘孫娘です。パロディではなくモデルでありオマージュです。
 ついでに。車椅子の老人が、孫娘がぶちのめされアクメに追い込まれて、おもわずコーナーポストまで歩くシーン。
「歩ける……わしは歩いた」と、おとなしいセリフですが。ほんとうは、「マイン・フューラー!」と叫ばせたかったのです。これはパロディになるので自粛しましたが。わかりますかね、元ネタ?


 こほん。
 このブレイカー老。私設リョナファイトのためにジムを即金で買い取るような御仁です。そして、孫娘の為にも年増ヒロインを断固救出すると決めます。たとえ身代金はSMツアー社(がリスクヘッジしている保険会社)が出すとしても、おとなしく使い走りなんかするわけがありません。
 では、どうするかというと……



誘拐と陵辱の全裸サンバ

村上詩織 (29)  踊らない。3人は知らない。影のお守り役。

真園蕾  (23) 現地ガイド。今回は危険が少ないということで初仕事。
篠田紗耶香(20)
春日茉莉 (20)
 国内のカーニバルもどきで満足できない。
 短大卒業記念。

エウリコ・メレンデス 30代 専属通訳兼世話人
           実は一味だが、都会エージェントなので誘拐の表には立たない。
ホセ・カランサ    40代 サンバチーム代表

ミゲル 30前後 誘拐した女の世話係 日本語がかなりできる。




1:前夜
金曜夜
最後の練習を終えてホテル。3人1部屋。
日本での「本番」より、ずっと熱気。
2週間前から滞在して練習。
ブロッコでなく、サンボードロモのパレード。2部。
エスコーラ・デ・サンバ
ボディペセクションがあるチーム。

2:誘拐
(詩織はゴールで待っている)
荷物はホテルに置いておく。
集合場所でワサワサ着替え。ボディペグループは隔離ブースで。
山車の前に上級者。3人は山車の後。でも目立つ。
無我夢中で踊る。
ゴールの後、警備員らしき2人に誘導されて……
詩織が割り込む。押し問答。拳銃。叩き落とす。骨折。
車から2人加わって。詩織もまとめて車に。
すでに夜明け。

3:輪姦
道路からそれた荒れ地。とりあえず3人まとめてGangBang。詩織は尋問。ドン・ガストーニの名は出さない。敵対勢力かも。
尋問は、音声翻訳機。
SMT現地駐在員。「そうなのか?」「もしも彼女がシオリ・ムラカミなら」
村へ。入口に機関銃座。
男が9割。若い女がチラホラ。老人や子供はいない。村ではなく基地?
詩織は別室に監禁。3人にミゲルが事情説明。
3人で300万ドルの予定だったが、4人なら400万ドル。
「大使館を脅迫しても長引くだけ。SMT高山社長に」
リスクヘッジの保険があると知っている。
「あのクノイチもそんなことを言っていたな」
3人への見せしめ。詩織へのリンチ。腕を折られたことへの報復。ズタボロ。
3人は、詩織の見ている前で、村人こぞりて。約50人。見物している中に半裸の女も。
SMTのSOSを白状。

4:幕間
SMT社/ドン・ガストーニ
あの一帯は敵対勢力。組織がでしゃばると全面戦争。
ブレイカー老には、わしから伝えておく。

5:狂舞
誘拐2日目の午後。
3日後に身代金を持参すると連絡があった。銀行を通すと足がつく。
異例の早さ。パーティー。
他にも2組5人が人質。3人組が1か月目、2人組はもう4か月。性奴隷の境遇。
猫踊り。ずっと屋外で磔にされていた詩織も。すでに瀕死。
手首に紐。乳首とクリ。上げればクリ、下げれば乳首。
仕掛の悪意を見抜いて、蕾がかばう。2人は脇にまわした鎖。いざとなれば引き上げる。蕾は無し。
蕾は途中で転んで……端まで転がって大ダメージは回避。尻と足の裏はひどい火傷。おざなりな治療。

6:救出
未明。地上攻撃機が機関銃座を破壊。ヘリボーン2機=20人2コ分隊。
死者は村人5人。
詩織は即刻入院。
3人は基地司令の元へ。
「俺たちの受けた命令はシオリの救出。おまえたちの救出は請け負っていない」
救出費用は身体で支払ってもらおう。
平和的解決なら3日後に解放のはず。それまでボランティア活動。
陸軍はすぐ帰隊するから、さっそくに。


 自分用のメモですので、主語を省いている部分が多くてわかりにくいかもしれません。
 6章。映像化するなら、BGMは「ワルキューレの騎行」一択です。


 しかし、困りました。このブログのアイキャッチ画像もそうですが、表紙絵です。
 裸女踊り(クレーン吊るし)にしたいのですが、元ネタがありません。両手を吊られて片脚を跳ね上げている画像に、バーベキューの絵を合成するのもあれですしねえ。
 かといって、ヘリボーン襲撃のシーンに裸女配置するのも……『ヒロイン戦記』じゃあるまいし。
 それに。誘拐直後の年増ヒロイン尋問シーンが、いちばんの残虐になりそうです。これは、まあ……

SM(Vartual)女ゲリラ野外拷問
 なんとでもなります。といって、ここで使ったらProgress Reportで弾切れになるかも。使いましたけど。
 本来のヒロイン3人とは別に監禁される場面も――視点の都合で書かないかもしれませんが。誘拐組織からは、女コマンドーかクノイチかと警戒されて、腕を折られた男の報復もあって、死んでもまだ人質は3人もいるんだとばかりに残酷な拘束をされます。このネタも載せてしまいましょう。

縄吉_skn58


 表紙のほうは、おとなしく全裸サンバにするかもしれません。



テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

お気に入りの写真(緊縛1)



  SMといえば、緊縛が欠かせません。
 まずは、この一枚。オリジナル画像です。つまり、筆者の技量はせいぜいこんなものです。

94121405.jpg


 では、本格的なのをいきましょう。本格と言えば亀甲縛りです。しかし、「亀甲縛り」で検索して出てくる画像は、95%まで「菱縄縛り」です。どう違うかというと。
 左が「菱」で右が「亀」です。手を縛らずに胴縄なんて、筆者に言わせれば言語道断横断歩道ですが、使わざるを得ませんでした。かように亀甲縛りの画像は希少です。

菱と亀
 胸のところで縄が六角形(亀甲)になっているのが亀甲縛り。おっと「キック締まる」なんてタイプミスしましたが、戦闘詳報じゃあるまいし、ギャグは無視。
 二本にして縦に通して適当な個所で結び目を作った縄に左右から縄を絡げていくと、菱縄になります。縦縄の結び目を2か所で引っ張らないと六角形になりません。綺麗な形に整えるには、かなりのコツが必要です。と思います。筆者は試したことがありません。菱縄でぎゅうぎゅう引っ張って食い込ませるのが(SとしてもMとしても)好きです。

 そうだ。世の中には、キッコウ縛りと菱縄縛りを兼ね備えた縛り方があります。
キッコーマン菱縄
 やはり、ギャグや猿轡もSMには欠かせませんね。


 もっとも。濠門長恭クンは小説の中で菱縄も亀甲縛りもほとんど使いません。胸の上下を水平に縛って、腋の下に通した縄で乳房を絞り出して、さらにV字形に首縄を掛けるのが大好物です。この縛り方が、いちばん乳房を虐める形だと思います。
016.jpg

 それと。筆者の主義としては、緊縛とは第一に相手の自由を奪うものです。まっさきに手を縛ってから、じっくりと装飾と恥辱の縄を掛けていきます。そういう意味では、如何に素早く縄を掛けるか――早縄もいいですね。というか、時代物を書くには欠かせません。

丸木流十文字早縄

丸木流肩掛早縄  
 
 上が「十文字早縄」下が「肩掛早縄」だそうですが。
 厳密には、これは早縄ではないです。戦国時代に捕虜を素早く縛るのは、今のところ濠門長恭クンの守備範囲外です。
 必要なのは――岡っ引き(江戸時代でも地方によって様々に呼ばれています)が捕縛時に掛ける縄です。「岡っ引き」の「岡」は、岡目八目、(免許を得た遊郭に対する)岡場所のように、非正規を意味します。現代風にいうなら逮捕権はありません。あったとしても、当時は三権分立も人権もスフ(人絹)も無かったにしろ、犯罪人と確定していない容疑者を「捕縛」するのは拙いです。
 なので。「これは縛っているのではありません。縄が絡みついているだけです」という建前で「結び目」は作りません。早縄の一端には鉤が付いていて、それで縄の途中に引っ掛けて「絡んだ縄」がほどけなくするのです。
 それはともかく。というか、時代劇のリティには欠かせない考証ですが。
 筆者は上の縛り方が好きです。首を絞めているのでサディスティックです。


 延々と書いてきましたが、まだまだウンチクはチックリしか傾けていません。ほとんど垂直に勃っています。
 また折を見て、続きを書きましょう。




 




テーマ : 今夜のおかず
ジャンル : アダルト

Progress Report Final:昭和集団羞辱史『湯女』

  一揆加勢で脱稿しました。
 今回の御紹介は、ここでENDにしてもおかしくないという、そして、本編で最も過激な責め場……が、これですもの。甘っちょろくて、どうにも興が乗りませんでした。


onnsennero9.jpg

========================================

 秋になって客足が戻り、湯女も大車輪。といっても、ひとり一時間の接客だから、一日でせいぜい八人くらいだが。それでも、一時間に四人から五人の湯女が帳場に出入りしてバンドの清算をするのだから、にぎやかで艶やかな光景ではあった。
 そんな忙しい一日が終わったある日。
 火を落として静まり返った厨房に、亭主と女将が五人の湯女を呼び集めた。
「大変に困った問題が起きました」
 五人を壁際にならんで座らせて、亭主がその前に立って腕を組む。
「ゴムバンドの帳尻が合わないのですよ」
 客は旅館に金を預けて、預かり証の代わりにゴムバンドを受け取る。客が後でゴムバンドを戻せば、旅館は預り金を返す。旅館側のあずかり知らぬ事情で湯女がゴムバンドを持ち込めば、半額で引き取る。客と湯女との間で現金授受は行なわれていないという、法の網を潜り抜けるための方便であると同時に、湯女に勝手な値段交渉をさせない意味もあるのだが。結果として旅館側には、湯女に払ったのと同じ金額が残る。
 それが四百五十円足りないというのだった。
「お客がよそからゴムバンドを持ち込んだんじゃないですか」
 京子の当てずっぽうには無理があると、梢枝にもわかっている。ゴムバンドには、旅館ごとの刻印を捺した一センチ角のゴムが接着されている。もっとありそうなのは――帳場からゴムバンドを盗み出して、知らん顔で換金するという手口だ。
「本来なら、ちょろまかした人だけを呼びつけて、内々に済ませるところですがね。それでは、ますます当人を付け上がらせるだけだと思って、集まってもらったのです」
 亭主の視線が自分に向けられていると、梢枝は気づいた。
「今日のお客様は三十八人で、帳面に付けている赤バンドの出入りも三十八本。皆さん、お盛んなことですね。問題は白バンドと青バンドです。これは、ほとんどが梢枝の持ち込みだね」
 疑われている――いや、決めつけられていると梢枝は気づいた。亭主にしろ女将にしろ、湯女を呼び捨てにすることは、ほとんどない。
「あたし、ちゃんとお客からもらっています」
「梢枝は今日、青バンドを六本換金しているが、お客様から返還が無かったのは三本だけ。一本百五十円だから、辻褄の合わない三本分でちょうど四百五十円だね」
 濡れ衣、それとも言いがかり。今日は九人の洗体で、六人を岩山の裏へ誘い込んでいる。
「あたし、ちゃんと六人のお客から青バンドをもらいました」
「しかし、青バンドを持ち込んだのは梢枝だけだからね。言い逃れはできないよ」
「そんな……」
 なんだって、急にこんなことを――そこで、ふと気づいた。さっきの京子の言葉。なんだか、狂言回しみたいだった。
 ここ一か月ほど、梢枝とほかの湯女との間には、ぎくしゃくした反目が続いている。接客はもちろん、旅館にも迷惑を掛けていないと思っていたけれど。小さな世界の中では、どんな小さな不協和音でも耳障りなのかもしれない。
 もちろん。亭主さんはともかく、女将さんに注意されたら素直に聞き入れていただろうけれど――そうは思われていなかったのだろうか。もしかしたら。梢枝の過剰なお色気サービスが客を呼んでいた一面はある。あまりおとなしくされても、旅館としては痛し痒しなのだ。といって、反目を放置もできない。
 だから、まったく別の口実でお灸を据えておこう――とでも、考えたのだろうか。
「素直に罪を認めるなら、事を荒立てたりせずに内々で済ませてあげる」
「あんたのしたことは、立派な犯罪なんだよ」
 京子の口出しで、梢枝は推測が間違っていないと確信した。
 してもいないことを認めるのは厭だ。事を荒立てるのなら、そうしてください。警察に届ければ、実際には旅館が湯女に売春をさせていたことが公になって、困るのはそちらじゃないんですか。そういうふうに反論も出来たけれど。同輩はともかく、雇い主を敵にまわしたら困るのは梢枝だ。梢枝のおかげで繁昌しているのは事実だが、梢枝が来る前から温泉郷はそれなりにまわっていたのだ。
 あっさりと首にされるかもしれないと、初めて梢枝は思い至った。そのときには、支度金の五万円を返せと言われるだろう。店の都合で首を切るんだから返さなくてもいいように思うけれど。貯金通帳を取り上げられて、身ひとつで追い出されたら――そこまで先走って考えてしまった。
 旅館や先輩の理不尽な仕打ちに屈するのは厭だけど、尻尾を巻いて実家に逃げ戻るのは、もっと厭だ。
「あたし……してもいない罪を認めるなんて、絶対にしません」
 それは反発ではなかった。
「だから、好きなようにしてください」
 首を切られるというのは考えすぎだろうと、思い直した。四百五十円を弁償させられたって蚊に刺されたほどの痛みにもならない。謹慎なんか、一週間でも一か月でも骨休めみたいなもの。どうせ旅館だって、出るところには出られない事情を抱えている。
 まさか、寄ってたかってのリンチもできないだろうと――これまでと同じに高を括ったのだが。
「まったく、ふてぶてしい子だね。しばらくは、おいたも出来ないくらいには懲らしめてやらなくちゃ」
 それまでは亭主に仕切らせていた女将が、梢枝の前に立った。
「それじゃ、好きにさせてもらうよ。着物を脱ぎなさい」
 梢枝は女将の顔をまっすぐに見上げて――立ち上がった。お仕着せの浴衣を黙って脱ぐ。みんな、女将さんにつくに決まっている。五対一では、逆らうだけ無駄だ。
「そこへあお向けに押さえ付けておきなさい」
 梢枝は、それにも逆らわなかった。けれど、内心では意外な成り行きに怯えている。毛を剃られたり擂粉木を突っ込まれるだけでは済まない。そう覚悟させられるほど、女将の顔は冷たかった。
 女将は黙って場をはなれて、すぐに戻って来た。小道具を幾つか抱えている。
「一か月でだいぶに生えてきたね。あんた、剃ってやって」
 梢枝は脚を大きく開かせられた。その中に、亭主が剃刀を持って座る。
「これくらいじゃ懲りないとわかってるだろうに」
 女将に向けて言った言葉だが、顔は梢枝の股間に向けたままだった。
 この人の顔、助平になってる――梢枝は、男の心裡を見抜いた。憎しみや嫉妬で剃られるよりは、女として救われる思いが湧いた。身体が目当てなんて台詞はよく聞くけれど、末永く添い遂げるわけでもない仮初めの男女の間に、ほかの何があるんだろう。
 六人の女の視線から逃れたくて、梢枝は目をつむって亭主の仕打ちを受け容れた。
 じきに剃り終わって――亭主に変わって女将が、梢枝の股座近くに座った。
「おまえはね、ここが気持ち良すぎてアレコレしてるんだろうね。しばらくは、自分で触ることもできなくしてあげるよ」
 襞の間に埋もれている肉蕾をほじくり出された。
 女将は包皮をつまんでしごき、淫核を硬くしこらせる。言っていることとしていることが反対――とは、梢枝の思い違いだった。女将は包皮を剥いて、実核を露出させた。それを左手で押さえておいて、右手は小箱を開けて茶色い綿のような物を指につまんだ。
「あ……?!」
 戦後になって廃れてきたとはいえ、まだまだお灸は庶民の中に根付いている。肩凝りや腰痛の民間療法でもあるし、寝小便の特効薬という迷信も生きている。そして、子供への折檻にも使われている。
 まさしくお灸を据えられるわけだが――どこに据えられるかは、こうなってみると明白だった。そっと触ればすごく気持ちいいけれど、それだけ敏感なのだから、お灸を据えられたらどうなるか。
「ごめんなさい。もう、二度としません。だから、赦してください」
 それまでとは打って変わって、梢枝は半泣きの声で訴えた。
「二度としませんって、何をだね?」
 返しながら、女将は艾(もぐさ)を練る指を休めない。
「…………」
 梢枝は言葉に詰まった。四百五十円は口実だと、すでに梢枝は悟っている。濡れ衣なのだから、二度でも三度でも着せることができるだろう。マッサージ室での自由恋愛は、これをやめろとは女将も言っていない。そんなことをすれば、『湯乃華』に閑古鳥が鳴く。
「もう……お客さんを裏に誘い込んだりはしません。マッサージ室でも、おとなしくします」
「うごかないように、もっと強く押さえて。フミさんも手伝いなさい」
 両手を頭上に伸ばした形にされてフミに手首をつかまれ、京子と朋美は片手で腰を押さえて片手は膝をつかんで閉じないようにした。
「珠代ちゃんも。あなたは馬乗りになりなさい。この期に及んで同情なんか駄目よ」
 ごめんねと囁いてから、珠代も梢枝を虐める側に加わった。
 実核がさらに引き伸ばされて、根元を女将の指が押さえつける。梢枝には珠代の身体に遮られて見えていないが、そこに据えられた艾は、実核と同じくらいの大きさがあった。
 亭主が線香に火を点けて女将に手渡した。そして、脇に控えて――梢枝の股間を見詰めている。
 剃られたときと同じで、梢枝には亭主の存在が、せめてもの心のよりどころに思えた。こんな酷いことをされても、それを見て興奮してくれる男がいるのなら、同性にどんなに憎まれてもすこしは救いがある。
 いよいよ火が点じられたらしい。珠代の肩越しに薄い煙が立ちのぼった。
「くううう……」
 最初に灸を据えられる熱痛を『皮切り』というが、それどころではない。熱の錐が実核を貫き通している。しかも、錐はだんだん太く鋭くなって……
「うああ……熱い! 痛い! 赦して……赦してください」
「うるさいね」
 不意に女将が立ち上がった。着物の裾を端折り腰巻もたくしあげて、珠代と背中合わせになって梢枝の顔に尻を落とした。
「んぶうう……」
 口をふさがれて、梢枝は悲鳴を封じられた。淫毛がじゃりじゃりと鼻腔をくすぐるが、それを不快に思うどころではない。このままではクリトリスが焼け落ちてしまうのではないか――そう思ったとき、この折檻の残酷さを梢枝は知った。
 クリトリスが無くなったところで、男の側にはたいして不都合はないのだ。湯女として働くことはできる。擂粉木で傷つけるよりも、旅館としてはよほど都合がよい。
 そして、梢枝は快楽を取り上げられてしまう。そうなってまで、客に過剰なサービスをする気にはなれないだろう。洗体とマッサージで三百五十円。青バンド百五十円のためだけに、傷ついたクリトリス(それとも、クリトリスのあったところ?)を弄ばれる苦痛には耐えられない。
「むぶうううううっ……ゔゔゔゔ!!」
 三人がかりで押さえ付けられている腰が、ビクンビクンと跳ねる。
「おっとっと……」
 京子が腰を押さえていた手をずらして、転げ落ちかけた艾を据え直した。
「おお、熱かった」
 声が楽しそうに弾んでいる。
 ――艾は最後までクリトリスの上で燃え尽くした。
「わたくしだって、いよいよとなれば鬼にでも夜叉にでもなりますからね」
 そう言って女将は梢枝の顔から立ち上がって、着物を整えた。梢枝にだけでなく、他の湯女にも向けられた言葉だった。
 翌日も、梢枝は仕事をした。火傷が治るまで休んで痛かったけれど、女将が許してくれなかった。もっと辛いことを命じられたとしても、梢枝は女将の言葉に従っていただろう。それほどに、灸折檻の効き目は著しかった。
 さいわいに焼けて無くなりはしなかったが。火傷で親指の先ほどにも膨れて包皮では蔽いきれなくなり、常に先端が露出するようになった。いっそ剥きっ放しにしておこうかと思ったが、それでは湯が沁みて立っていられないほどに痛む。
 梢枝は手拭いで厳重に股間を隠して、客から身を引くようにして身体を洗った。マッサージ室では、官能を追求するどころではない。腰を打ちつけられるたびにクリトリスが悲鳴をあげて――快感の無い商売の辛さを思い知らされたのだった。
 敏感な部位だけに、治りも早いのだろう。一週間もすると薄皮が張って、痛みも少なくなった。しかし、元の形には戻りそうもなかった。火傷の部分が盛り上がってきて、クリトリス全体が以前の倍ほどにも大きくなり、常に半分は露出する形になった。そして盛り上がった部分はあまり感じなくなったのに、その周辺はずっと鋭敏になってしまった。だからというべきか、しかしというべきか――梢枝はマッサージ室でもそこを刺激しないように努めるしかなかった。外にまで聞こえる嬌声を張り上げたら、今度はもっとひどい折檻をさせるかもしれない。かといって、みずから猿轡を噛んでまで快楽を追求する気にもなれない。やはり、もしも露見したらという怯えが、梢枝を縛っていた。
 梢枝がおとなしくなって、湯女のあいだの力関係は変わった。うんと歳の離れた味噌っかすという扱いに、梢枝は甘んじるしかなくなった。ある意味、それが本来の形であったかもしれない。
 梢枝の過剰サービスがなくなると、日帰りの入浴客も以前の数にまで漸減して、温泉郷全体も落ち着いてきたのだが。活況を知った後になってみると、寂れてきた感じは否めなかった。
 そのまま二年三年と過ぎていけば、梢枝への扱いもだんだんと変わって、梢枝も他の四人と変わらない娼売女へと落ち着いて行ったのだろうが。
========================================

 画像もご覧の通り、キーワードに『湯女』を含めると、ハードなものは引っ掛かりません。
 ので、いわば商売敵のアフィリンクを張ってみたりします。こういうタイトルだと、今回の筆者作品とはまるきり趣が異なります。いえ、わざわざ購入して読んだりはしませんよ。TOYOTAの社員がニッサンの車に試乗するようなものですから。




 このサークル(というか、作者)実は、今回『湯女』で検索して初めて知りましたが、16年前にDLsiteデビューしていて、89本もUPしています。コンセプトは、筆者に言わせればだいぶん違っていますが、他人の目には似て見えるかもしれません。


 さて。次は妄想全開ハード作品にシフトしましょう。
 PLOT半完成の作品も幾つかありますが。
「何を書きたいのか」をじっくり(3日ほど)考えて、次作ではきちんとPLOTを練ってから、6月中旬あたりから書き始めましょうか。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 3:昭和集団羞辱史(湯女)

 どうにも……5月中には脱稿できそうになくなってきました。
 在宅勤務のせいです。
 通勤してるときは、平日は朝に1時間半ほど集中して、休日は5時間くらいスパート。なのですが。
 朝起きる時間は同じでも、家を7時過ぎに出るのと、在宅で9時前に勤務開始とでは……在宅のほうが、ノンベンダラリとしてしまいます。しかも、仕事を土日まで持ち越して――どうにもこうにもです。
 まあ、考えようによっては。フルタイム勤務しながら年間3千枚というのが異常だったのかもしれません。SFを書いていた昔に比べると5倍くらいですものねえ。
 ともかく、出来高を御紹介。


========================================

   先輩の虐め

 そんな牧歌的な桃色郷を大きく揺るがす事件が起きた。梅雨で客足が細るさ中、風俗ルポライターを名乗る若い男が『湯の華』に泊まったのである。一人だけで泊まりに来る客は珍しいが、濃厚お色気サービスをする飛び切り若い遊女の評判を聞きつけて、電話予約のときから梢枝を指名してきた。
 当時(令和の現代でもそうだが)、男性向けの通俗週刊誌には『マル秘スポット』とか『知られざる穴場』の紹介記事があふれていた。取材される側も、いい宣伝になるくらいにしか思っていない。
 露天風呂とはいうが、雨除けの屋根は設けられている。洗い場では京子と朋美が、それぞれの客を相手に洗体の最中だった。求められれば客に好きなだけ身体をさわらせる朋美も、今日はまだ足首にバンドを巻いていない。
「ずいぶんと若いね。歳は幾つ?」
 この質問に、梢枝は慣れっこになっている。
「この春に卒業して、すぐここに就職したんです」
「卒業って、高校かな。まさか小学校じゃないよね?」
 狡い質問だなと、梢枝は思った。短大卒の才女がこんな職業に就くはずもないから、両方を否定したら自動的に答えが出てしまう。いつものように
「さあ……ご想像におかませします」では、まずいんじゃないだろうか。相手はルポライターなんだから、十三歳の少女が湯女をしているなんて、わざと嘘を書かないとも限らない。警察か労働基準監督署か保健所か知らないけれど、調べがはいって旅館に迷惑をかけるかもしれない。
「女性に歳を聞くなんて、野暮ですよ」
 最年長のフミの答えを真似してみた。
「そんなことより。お客さんて、取材に来られたんでしょ。だったら、ここで青のバンドを使わなくちゃ」
 お色気サービスのほうへ関心を向けさせようとした。江戸時代の湯女と同じように最後まで出来るというのが、この温泉地の謳い文句なのだから、女将さんにも文句は言われないだろう。事実――洗い場での過剰サービスを叱られたのは最初だけで、今では黙認してくれている。
「へえ。なにをしてくれるのかな?」
 ルポライターは気前よく青バンドを渡してくれた。それを足首に通して。
 いつものように、梢枝は岩山の裏手に男を案内した。洗い椅子代わりの小岩に座らせ、スポンジに石鹸を泡立たせて男に持たせる。自分は後ろ向きになって男の腿に乗る。
「あたしを洗ってください。もちろん、ここもたっぷりお願いします」
 股間から聳え立っている巨木を握って言うのだから、ここがどこか明白だ。
 男はスポンジをさっさと床に置いて、左手で乳房を揉みながら右手は股間をまさぐる。
「柔肌は手洗いが一番だよ」
 風俗ルポライターを名乗るだけあって、遊び慣れているのだろう。強すぎも弱すぎもしないねちっこい愛撫で、たちまち梢枝の官能に火を点じた。
「んああ……お客さん、いいですうう」
 早々と猿轡を咥えようかと思ったほどだ。腰の奥の疼きに焦れて、男の上で尻をくねらせた。剛毛が尻肉をくすぐって、それも官能を刺激する。
「梢枝ちゃんこそ、この歳でずいぶんと開発されてるじゃないか」
「だって……これがお仕事ですから」
 梢枝は、サービスではなく自分の欲求を満たすために――向きを変えて客に抱きついた。腰を突き出して、すでに硬くしこっている蕾を剛毛に押しつけた。
「あああっ……いい。浮かんじゃう……浮かんでる」
 水栓(クリトリス)がひねられて、腰の奥に熱湯がたまっていく。ここからは掛け時計は見えないが、洗体を始めてから二十分と経っていないだろう。けれど、あと十分もこんなサービスを続けるのは我慢できなかった。
「あの……すこし早いけど、マッサージをさせてください」
 ルポライターは梢枝の尻から手を差し入れて、淫唇の中をえぐった。
「逆だろ。僕が梢枝ちゃんをマッサージするんじゃないか?」
「どっちも……です。あ、赤のゴムバンドをくださいね」
 さすがに、娼売までは忘れていない。
 腰の手拭いは『使用中』の目印にドアの前に掛けて。すっぽんぽんでマッサージ室にはいると、ドアを閉めるのももどかしく、梢枝は客の前にひざまずいた。
 若いだけあって、一分や二分の中断くらいではまったく萎れていない。梢枝は上からおおいかぶさるようにして、巨木を口に咥えた。じゅうぶんに洗ってあるから、汚いなんて思わない。至高の快楽を与えてくださる御神木だ。
「おおお。尺八を吹いてくれるというのは、ほんとうだったんだ」
 男が興奮の極致に達しているのが、それを咥えている梢枝には感じ取れた。
「このまま出しちゃ、もったいないでしょ」
 口淫奉仕はあっさりと切り上げて、奥からコンドームを持って来て、男にかぶせた。最初の客から仕込まれたので自然とそうしているのだが、湯女の中ではほかの店も含めて梢枝だけらしい。というか、この時代にコンドームを必須としているところは少ない。最下級の女たちはコンドーム代さえけちるし、湯女の何倍もふんだくる高級トルコ嬢は生本番があたりまえだった。大衆向けのトルコやチョンの間だと、女はそんなに親切ではない。
「お客さんが下になってくれますか。あ、これはあたしだけのスタイルなんですけど」
 団体客でも来ようものなら一日に五人以上の相手をしなければならないのだから、自分で動いていては疲れ果ててしまう――というのが、先輩たちの忠告だった。梢枝自身は、まったく平気どころか、騎乗位が気に入っているのだが、女を組み敷いてこそ男だという考えの持ち主も多い。客の意向に逆らってまで、自分の快楽を追求するわけにもいかない。梢枝が昇り詰めると喜んでくれる客は多いが。
「自分だけ善がって、娼売をちゃんとしろよ」などと怒る客も十人に一人くらいはいる。
 ――洗体を早めに切り上げたこともあったし、クリトリスをほじくってほしいというおねだりを男が喜んでかなえてくれたせいもあって。梢枝は熱泉の大奔流に吹き上げられ、シャボン玉ではなく花火のように破裂して果てた。
 どちらもじゅうぶんに満足してマッサージ室を出て。それで遊女の仕事は終わったのだが、ルポライターの求めに応じてインタビューを受けた。これには亭主も女将も乗り気で、空いている客室を提供もしてくれた。
 ルポライターはさすがに聞き上手で、三十分間のインタビューのうちに梢枝は、実年齢はもちろん、母に売られた形での就職の経緯や、その理由まで打ち明けていた。最後には露天風呂に戻って、腰に手拭いを巻いただけの湯女姿を写真に――梢枝の感覚としては『撮られた』のではなく撮ってもらった。

 日帰りで行ける秘湯の桃色本番遊女
 そんなタイトルの記事が週刊誌に載ったのは、取材から二週間後だった。巻頭のカラーページに梢枝の半裸写真が掲載されて、本文は『体験記』とインタビューを主体に構成されていた。『湯の華』だけでなく『仙寿庵』と『美人湯』も紹介されていて、それぞれに所属する遊女の源氏名と公称年齢(三十七歳のフミは三十二歳になっている)も掲載されていたが、梢枝の特集記事の感が強い。
 日本全国に生き恥を曝すこともないだろうにねえ――というのが、他の湯女にかぎらず、当時の女性一般の感想だったろう。男の性欲を満たす仕事の女性が広く認知され、さらにはアイドルになったり、小 学 生の「将来なりたい職業」にランク入りするには、二十年三十年の時を待たなければならない。
 話を昭和三十六年の当時に戻して。
 週刊誌が発売されたその日から、三軒の旅館に掛かってくる電話は十倍に増えた。といっても、一日に数本だったのが五十本くらいになっただけだから、てんてこ舞いというほどでもない。日帰りの入浴を希望する客の大半は、湯女を待っているうちに日が暮れると聞かされて諦めるし、だからといって泊りがけで遊ぼうという好き者も数は知れていた。つまりは、程よい繁昌に落ち着いたのだが――梅雨時から初秋までは客足が遠のく温泉地としては、週刊誌様々といったところか。
 梢枝は朝から晩まで予約がいっぱい。他の湯女も繁忙期さながらの忙しさだったが。
 珠代はともかく、当時の感覚では大年増のフミや京子をあてがわれた客が文句を言ったり、今でいうチェンジを求めたり。他の旅館が駅で捕まえた振りの客が、梢枝のいる湯ではないと知って鞍替えして来たり。
 湯女全員から、梢枝は嫉妬されるようになっていった。
 男に対しては奔放な梢枝だが、日常ではみずから進んで人と交わる性質(たち)ではない。仲居と湯女とでは棲む世界が違うと、どちらも思っている。そして湯女同士も――同病相憐れむといった雰囲気ではなかった。京子が梢枝の母と同年齢で、フミは五つも歳上。珠代と朋美は二十五と二十八で仲が良いが、梢枝はその二人とも年齢が懸け離れている。つまり、梢枝は孤立していた。
 客の世話は輪番でも、赤バンドだけでなく青もせしめる梢枝は稼ぎが太い。しかも、客の人気が集中する。四人に、歳下の後輩を可愛がるという感情も生まれにくい。
 週刊誌は、そういった下地を大きく膨らませる酵母の役目を果たしたといえなくもなかった。
 ――三畳の個室を荒らされたのが、嫌がらせの始まりだった。壁に掛けて置いたよそ行きの服が、修繕のし様もないほどに切り裂かれ、化粧セットも持ち去られていた。さいわいに貯金通帳や判子までは盗まれていなかったし、棚に置いていた宝石箱の装飾品も手付かずだったけれど。だから、泥棒ではなく旅館の誰かの仕業だということは明白だった。
 とうぜんだが、梢枝は被害を亭主と女将に訴えた。
「うちは小さいから、お客様が奥まで来られることもよくあるからねえ。一見のお客様も増えたことだし。部屋に錠前を付けてあげようか」
 宿泊客の仕業ということにして丸く収めたい。しかも一見の客が増えたのは週刊誌のせいだから――梢枝にも非があるとほのめかしている。
 梢枝は考えてみた。錠前をつけてもらっても、裸商売だから鍵を肌身離さず持っているわけにもいかない。かといって、数字合わせの錠前は簡単に破られる。001から999までを試さなくても、回すときのかすかな手応えの違いでわかってしまう。同級生の男子が得意そうに実演しているのを見て、それを知っていた。
「人を見たら泥棒と思えなんていいますけど。お客様や旅館の皆さんを疑うなんて、心苦しいです」
 断わった。貴重品だけでも預かってもらうということも考えたけれど。たとえば貯金通帳は月に何回も必要になる。そのたびに女将さんの手をわずらわせるのも申し訳ない。
 梢枝は、意表を突いた『対策』をとった。部屋にいるときはもちろん戸を閉めておくが、不在のときは開けっ放しにしたのだった。部屋の前の廊下は、従業員が行き来する。他人が梢枝の部屋にいれば、必ず誰かに目撃されるだろう。もちろん、通帳は天井裏に隠したし、たたんで部屋の隅に積み重ねた布団の下に宝石箱は押し込んでおいた。
 外出用の服は、新調しなかった。また切り裂かれたら大損だし、温泉街の中なら遊女のお仕着せでもそんなに不都合はない。『美人湯』の湯女は三人とも積極的にそうしているし、『仙寿庵』に二人だけいる湯女も、それとわかる格好で見知ったくらいだ。
 奇策が功を奏したのか、二度と部屋を荒らされることはなかった。梢枝はますます――職場だけでなく街中でも奔放に振る舞い、客に注目されて大車輪で稼ぎ、性の愉悦も満喫していたのだが。

 月が替わって学校が夏休みになると、例年ならどの旅館も閑古鳥がいっそうかまびすしくなる。暑いさ中に温泉でもないだろうし、家族持ちは家庭サービスを余儀なくされる。独身男性は――確実にやれる風俗よりも、素人女性をナンパするという困難に挑んで海へ繰り出す者も少なくない。
 週刊誌の宣伝効果は薄れてきたが、梢枝を名指しで来る日帰り客は後を絶たなかった。そんな客でも、三時間も四時間も待たされるよりは、少々歳を食っていてもすぐに相手をしてくれる湯女で我慢する者が多いから――梢枝ひとりがてんてこ舞いであとの四人はお茶を引くという事態には至らなかったが。しかし、梢枝の荒稼ぎがいっそう目に付くようになったのも間違いなかった。
 泊り客が少なくて、梢枝も含めて暇を持て余していた夜。
「ちょっと話がある。付き合ってもらうよ」
 京子に呼び出されとき、これまでになかったことだから不安にはなったけれど、、ネチネチと厭味を言われるくらいだろうと、まだ梢枝は高を括っていた。
 入浴客がひとりもいない露天風呂へ連れ出されて、そこには他の三人の湯女が待っていた。腰に手拭いを巻いただけの、仕事姿だった。
「おまえも着物を脱げよ」
 お仕着せの浴衣を引き剥がされると、下にはなにも着けていない。浴衣の下にごちゃごちゃ着込む不自然な装いが、むしろマナーとして定着するのは昭和五十年代以降のことだ。
「客が来るとまずいから、おまえの好きな場所へ行こうか」
 マッサージ小屋の端の部屋へ押し込まれた。いちばん若い珠代が外で見張りに残ったが、それでも二畳間ほどの部屋に四人。梢枝を壁に押しつけて三人が取り囲む形になった。
「おまえ、わしらの忠告を鼻であしらうとは、いい度胸だね」
 正面に立った京子が顔を近づけてくる。
「あの……意味がわかりません」
 不意に京子が身を引いた。と同時に――バシン。
「きゃっ……!」
 爆発するような頬の痛みに、梢枝がよろめいた。
「ざけんなよ。洗体のイチャツキもたいがいにしろと、何度も言ったよな。ここでのサービスも余計なことまでするなって、これも言ってるぜ」
 心当たりが、まったく無いわけでもなかった。
「岩陰だって、気配は伝わってくるよ」
「赤二本だって願い下げって客もいるのに。梢枝ちゃんは、好き嫌いがないの?」
「逆洗体は、まあうちの専売特許てわけじゃあないけど」
「たんびに本気になったら身がもたないわよ」
 懸け離れて若いのでからかわれているのだろうくらいにしか思わず、「はあい」とおざなりな返事で聞き流してきたのだが。
 かなり険悪な雰囲気だから――土下座くらいはして「これからは気をつけます、ごめんなさい」と卑屈になれば、平穏に治まっていたかもしれないが。自分はなにも悪いことはしていない。青臭い正義感、あるいは自己主張が、梢枝の対応を誤らせた。いくら最年少とはいえ自分が一番の稼ぎ頭だし、週刊誌の記事が評判になって温泉郷全体が潤ったのも、自分の功績だという気持ちもあった。取材を受けたのがフミさんだったりしたら、この二か月間の盛況はなかっただろう。
「あたし、誰にも迷惑を掛けてません。女将さんだって、何も言わないじゃないですか」
 京子が、またビンタを張ろうとした。それを予期していた梢枝は、ただかわすのではなく左の腕で弾き返した。
「てめえ……生意気にも程があるよ」
 梢枝をにらみつけて、ふいっと部屋を出て行った。
「梢枝ちゃん。今のは、あなたが悪いわよ」
 フミの声は柔らかかったが、それを聞き分けられるほど梢枝も冷静ではない。黙って立ち尽くしている。
 京子はすぐに戻って来た。手桶に湯女の洗い道具を入れているように見えたのだが。
「言葉で駄目なら、身体に言い聞かせてやるよ」
 ヤクザまがいの言葉を吐いて、梢枝を押し倒した。朋美も加勢する。
 梢枝は逆らわなかった。抵抗しても、体格で勝る相手と二対一、フミも加われば三対一。そんなに酷いことはされないだろうとも思っている。女将さんに知られたら、叱られるのは四人だ。
「ふてぶてしいねえ。この期に及んでも知らん顔の半兵衛かい」
 京子が手桶から剃刀を取り出した。浴場に備え付けのT字形安全剃刀だった。
「いやでも腰を隠すようにしてやるよ」
 水で湿しもせずに、剃刀を股間にあてがった。
 ザリッ、ザリッ……乱暴な手つきで淡い淫毛を刈り取っていく。
 ときおり鋭い痛みが肌を奔って、そのときだけは顔をしかめる梢枝。しかし、これだけで済みそうだと見当をつけて――怯えは薄れていた。
 こんなことくらいで負けるもんか。内心では、そんなことを考えている。
========================================

洗体

 200枚ちかく書いてきて、やっとSMぽくなってきたら、剃毛だけでチョン。
 そりゃまあ、この後に「ササクレ擂粉木」で傷つけられて、でも「負けないもん!」とアナルデビューしたり、濡れ衣着せられて旅館の亭主から針折檻されたりは予定していますが……生ぬるいですねえ。
 『大正弄瞞』とか『非国民の烙淫』を書いたのと同じ作者かい――と、自分でも思ってしまいます。
 別に、意図的にソフト路線に転向してメジャー・デビューを狙ってるわけじゃないですよ。
 こういう設定でこういうSTORYだと、こうなってしまうという必然性なのです。


 たぶん。これを書き終えたら反動で、超ハード作品に走ると思います。
 いよいよ超ハード超長編の『赤い本と白い百合』をおっぱじめるか、鬱勃たるパトスの噴出でショタマゾに寄り道するか、SMツアーの『誘拐と陵辱の全裸サンバ』を一揆加勢か。なんてことは、今の作品を書き終えてから考えます。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

プロフィール

濠門長恭

Author:濠門長恭
S70%+M80%=150%
高々度の変態非行が可能です!

鬼畜と変態と物好きと暇人の合計 (2018.01.01~)
検索フォーム
コメント投稿の仕方
複数記事を表示したデフォルトの状態ではコメントを投稿できません。 投稿したい記事のタイトルをクリックして個別表示させると最下段に投稿欄が表示されます。
濠門長恭作品販売サイト
リンク L I N K りんく
ブロとも一覧
カテゴリ
最新記事
最新コメント
濠門長恭への連絡はこちらへ

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
QRコード
QR